
【管理職研修】経歴だけでは分からない?自社に合う講師の見極め方と5つの判断軸
管理職研修の導入を検討する際、「どの講師に依頼すればよいのだろう」と悩む人事担当者や経営者の方は少なくありません。
講師を選ぶ際は、プロフィールや経歴、実績だけで判断するのではなく、自社の社風や受講者のレイヤー(新任管理職・上級管理職など)との相性まで見極めることが重要です。実績が豊富な講師であっても、自社の課題や研修の目的と合わなければ、期待する学びや行動変容につながりにくい場合があります。
本記事では、プロフィールだけでは分かりにくい「自社に合う講師」を見極めるための5つの判断軸を解説します。併せて、事前の打ち合わせだけでなく、実際の研修の進め方や講師の様子を確認するなど、講師選定で確認しておきたいポイントも紹介します。
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管理職研修の講師選定で陥りやすい失敗
研修の効果を高めるためには、自社に合った講師を選ぶことが重要です。しかし、限られた情報のなかで講師を選定することも多く、判断の軸が十分に整理されないまま進めてしまうケースもあります。だからこそ、講師を選ぶ際には、次のような観点が必要です。
プロフィールや経歴だけで選んでしまう
著名な実績や肩書きを基準に講師を選ぶと、自社の組織課題や研修目的との間にギャップが生じることがあります。
「リーダーシップ」や「マネジメント」といったテーマであっても、講師によって重視する考え方やアプローチはさまざまです。プロフィールや実績だけでは、自社の管理職が現場で直面している課題に合った内容かどうかまでは判断できません。
講師の知名度だけではなく、自社の課題や育成方針との相性まで確認することが重要です。
「講師派遣」だけを求めてしまう
研修は当日の講義だけで完結するものではありません。受講者が学びを実務で活かすためには、事前の課題整理や研修内容の設計、受講後の振り返りまでを含めて一貫した育成プロセスを考えることが重要です。
「研修当日に講義を担当する講師」という観点だけで講師を検討すると、事前の課題ヒアリングや受講後の効果測定を含めた全体設計が抜け落ちてしまい、期待した成果が得られないことがあります。そのため、講師の専門性や研修実績だけでなく、研修前後を含めた育成プロセス全体を支援できる体制があるかどうかという視点で研修会社を選ぶことも大切です。
研修の運営が目的化し、育成課題を見失う
研修を予定どおり実施することに意識が向き、「なぜ今この研修が必要なのか」「現場ではどのような課題が生じているのか」といった本来の目的が十分に整理されないまま進むこともあります。
目的が曖昧な状態では、知名度の高い講師を招いても、受講者が研修の必要性を十分に理解できず、学びを実践につなげることが難しくなります。まずは育成課題を明確にしたうえで、それに合った講師を選ぶことが大切です。
自社に合う講師を見極める「5つの判断軸」
自社に最適な講師を見極めるためには、単なるスキルや知識の伝達にとどまらず、組織の課題に寄り添う「伴走力」を評価する軸を持つことが求められます。
判断軸①|自社の課題や組織の深層を理解しようとする姿勢があるか
良い講師や研修会社は、表面的な要望をそのまま受け取るだけでなく、「現場の管理職は今、どのようなプレッシャーやストレスを抱えているか」といった組織の深層に踏み込む問いを投げかけてくれます。
また、研修の目的だけでなく、組織風土や評価制度、管理職に期待する役割なども確認しながら、課題の背景を丁寧に整理しようとする姿勢があるかも重要な判断材料です。
自社の経営課題や現場の悩みを表面的な言葉だけでなく文脈も含めて正しく捉え、それに合わせて研修プロセスを柔軟に組み立てる「課題理解力」があるかを見極めることが重要です。
判断軸②|受講者のレイヤーに合ったアプローチができるか
一口に管理職といっても、新任管理職と上級管理職では、求められる役割や日々の悩みが大きく異なります。
新任管理職研修であればプレイヤーからマネージャーへの意識や行動の転換が求められる一方、上級管理職研修では、経営戦略の立案や組織間調整など、より広い視野が求められます。また、同じ新任管理職であっても、業種や組織規模、マネジメント経験によって抱える課題は異なります。そのため、受講者の経験や現状に応じて説明の深さやワークの内容を調整できるかも確認したいポイントです。
講師が対象となる階層に応じた育成ノウハウを持ち、受講者の現状とあるべき姿のギャップを正確に把握して、アプローチを柔軟に変えられるかを確認しましょう。
判断軸③|カスタマイズ提案の柔軟性があるか
あらかじめ用意されたテンプレートのプログラムをそのまま実施するのではなく、自社の業界特性や企業文化、受講者の状況に合わせた「自社向けのプログラム」にカスタマイズできるかが重要です。
ワークの事例を形式的に差し替えるだけでなく、育成のゴールに向けて最適なプロセスを再構築できる柔軟性があるかも確認したいポイントです。
同じ業界や企業規模であっても、経営方針や組織文化が異なれば、管理職に求められる役割や育成課題も変わります。自社が抱える課題や目指す管理職像を丁寧にヒアリングしたうえで、それらを研修内容へ反映できるかを確認しましょう。
判断軸④|研修の実施ではなく「研修後の成果」を語れるか
研修の実施回数や受講者アンケートの満足度の高さばかりをアピールするのではなく、「研修が終わったあとに現場がどう変化し、それが組織の成果につながるか」を具体的に語れる講師かどうかが重要です。
学習したことを実務に生かし、定着させるための支援まで伴走できる視点を持っているかも重要な判断軸です。さらに、研修後のフォローアップや振り返り、上司を巻き込んだ実践支援など、学びを定着させる仕組みまで提案できるかも確認したいポイントです。
判断軸⑤|受講生の特性・悩みへの寄り添いがあるか
企業ごと、職種ごと、実際の仕事内容や業務特性によって、受講生の受講スタンスは大きく変わります。
例えば、「発言が少ない組織」「議論が活発な組織」では、同じ研修でも進め方や問いかけ方を工夫する必要があります。講師が受講者の反応を見ながら進行を調整できるかも重要な視点です。
現場の悩み・課題と施策のゴールを正確に捉える力は大前提として、その時々の受講生に「伝わるように伝える」技術のある講師が良い講師といえます。
ヒアリングや打ち合わせの段階で、これまでの研修や社内行事で見えてきた自社管理職の特徴や特性を明確に伝え、それに対してどのような「伝える工夫」をしてくれるかを確認してみましょう。打てば響くやり取りができるかどうかも、一つの目安になります。
講師選定に向けた3つのステップ
判断軸を参考に候補を絞り込んだあとは、実際の打ち合わせや確認作業を通じて、自社との相性を最終チェックするステップが不可欠です。
STEP1|課題整理・研修設計の進め方を確認する
打ち合わせの場には、実際に研修を担当する講師だけでなく、研修設計を担当するコンサルタントやディレクターが同席するかどうかを確認します。また、自社の課題をどのように整理・分析して研修内容へ反映するのか、プロセスを聞くことが大切です。
「研修でどのような状態を目指すのか」「研修後にどのような変化を期待するのか」といったゴール設定について、具体的なすり合わせが行われるかも確認しておきたい点です。
自社の課題や育成目標を丁寧にヒアリングし、単なるパッケージの提案ではなく、それに応じたプログラムを一緒に考えてくれる研修会社であれば、研修後の行動変容にもつながりやすくなります。
STEP2|ファシリテーションスキルを確認する
プロフィールの文面だけでは、講師の声のトーンや受講者の意見を引き出すコミュニケーションスタイルなどは分かりません。過去の研修動画や模擬研修などを通して、実際の様子を確認できると安心です。
特に、受講者からの質問への対応や、意見が出にくい場面でどのように対話を促しているかは、講師のファシリテーションスキルを判断する材料になります。
一方的に知識を伝えるだけの講義スタイルなのか、受講者の発言を引き出す対話型のスタイルなのか、自社の社風や受講者の雰囲気に合った進め方ができるかを見極めることが大切です。
STEP3|過去の実績・成果を確認する
アンケート上の満足度だけでなく、「実際の現場で実践され、行動変容が起きたか」という視点で過去の成果を確認します。
可能であれば、「研修後に管理職の行動や組織にどのような変化が見られたか」「どのような評価方法で効果を確認したのか」といった点も確認すると、成果を具体的にイメージしやすくなります。
同規模・同業界での成功事例はもちろん、現場の戸惑いや反発といった困難な状況に直面した際、どのように乗り越えたかというエピソードをヒアリングすることで、講師の対応力や現場での支援力も把握しやすくなります。
まとめ
管理職研修の成果は、講師の知名度や経歴だけで決まるものではありません。自社の課題や育成方針を理解し、受講者のレイヤーや組織風土に合わせて研修を設計・実施できる講師かどうかを見極めることが重要です。
講師を選定する際は、「課題理解力」「受講者への適応力」「カスタマイズ提案の柔軟性」「研修後の成果を見据えた視点」「受講者への寄り添い」といった判断軸に加え、事前の打ち合わせや研修動画の確認などを通じて、自社との相性を丁寧に確認するとよいでしょう。
リ・カレントでは、管理職研修を単発の研修で終わらせるのではなく、企業ごとの課題や育成目標に合わせた研修設計と、研修後の行動変容・組織への定着まで見据えた伴走型の支援を行っています。管理職育成や組織づくりに課題を感じている方は、自社に合った研修の進め方についてお気軽にご相談ください。

