“変化の時代だからこそ“。
現場起点の巻き込み力を高める
「リーダーシップ・フォロワーシップ研修」支援

中外製薬工業株式会社

中外製薬工業株式会社 経営管理部 人事グループマネジャー 久保島豊様

中外製薬工業株式会社にて、2017年より8年間に渡り、
「リーダーシップ・フォロワーシップ」研修をリ・カレントよりご支援しています。

一般職・現場からのボトムアップな「巻き込み力」強化を期待する本施策は、
8年間の社会変化、また企業そのものの変革の風を受け、
現在の環境変化の中で、「リーダーシップ・フォロワーシップ」のあり方を改めて考え続ける機会になっていると感じています。

本インタビューは、中外製薬工業 人事グループマネジャーの久保島様と、企画初期から講師を担当させていただいているリ・カレント石橋の対談形式で実施。

発足時「リーダーシップ・フォロワーシップ」という研修名にこめた想いから、今後、本研修施策を通して組織風土にどのような変化をもたらしていきたいかのご展望まで、深く伺うひと時となりました。

「風土を変えたい」「風土が変わらない」。
人事担当者の尽きない悩みに、「現場起点」の新風を送り込む事例インタビューです。

■対談者
中外製薬工業株式会社 経営管理部 人事グループマネジャー 久保島 豊様

リ・カレント株式会社 代表取締役社長 講師 石橋 真

8年間リ・カレントを選び続ける理由

「PDCAを一緒に回してくれる」~変化と課題を反映しつづける研修提案

――初めて弊社の研修を導入いただいてから8年になります。
リ・カレントからのご支援を選び続けてくださっているポイントはどこでしょうか。

やはり、PDCAをしっかり一緒に回していただけるというところかなと思います。
研修を実施した上で見えてくる課題もありますし、参加者も毎年雰囲気が変わります。
それを一緒にすり合わせて、振り返りをして、新しい提案もいただける

我々もその新しい提案をしっかりと受けて、自社の状況に合わせて検討したものをまたお願いすると、それを汲んだ改めてのご提案をもらえる。

そして、実際研修を次年にやった時、そういった提案が(当社に)ちゃんとフィットしている

そういったところが、結果として、継続してご一緒させていただいている理由の一つになっていると感じています。

――会社規模もより大きくなられる中で、
今後、(本研修受講者層にあたる)現場を担う社員へのご期待というのは、ますます高まってきますよね。

そうですね。

スマートファクトリー(の実現)・DXの推進がどんどん加速する中で、リーダーシップ・フォロワーシップの形も変わってきます。働き方の多様性も広がります。

受講生の皆さんには、時代の変化に伴う新しい形のリーダーシップを身に着けて、職場に戻られた際に、何か一つでも新しい視点や行動につながればと考えています。

自分が現場にいた時と、今のリーダーシップ・フォロワーシップでは変わってきていると思いますので。

社会・時代の大きな流れの変化をインプットするのは、なかなか社内だけでは難しいので、研修を通じて(リ・カレントさんに)しっかり情報をもらって、それを職場に持って帰っていただいて。
またトライアンドエラーで活用してもらう、というのを続けていきたいなと思っています。

8年間リ・カレントを選び続ける理由

なぜ「リーダーシップ・フォロワーシップ」だったのか

――リ・カレントからのご支援が始まったきっかけを、改めてお聞かせください。

教育体系の見直し・組織再編を行った際、マネジメントの階層も変わりました。

会社が大きく成長・変化していく過程で、一般職の皆さんにこそ職場でリーダーシップを発揮してもらいたい・周囲を巻き込みマネージャーをフォローしていってほしいという期待が生まれ、ぜひ「リーダーシップ・フォロワーシップ」の研修を作っていきたいと。

そんな中で、リ・カレントさんへ研修を依頼することになりました。

――貴社では、「フォロワーシップ」という概念を、比較的早くから使い出しておられたんですよね。

当時、サーバント・リーダーシップという言葉が少しずつ市場に出始めていました。

時同じくして、経営層から「トップダウンだけでは物事は動かせない。やはり部下の立場からボトムアップで頑張ってほしい」という話もありまして。元々が非常に現場主義でもありましたので、そこ(部下側・現場側)からもっとイノベーションを起こし、どんどん周りを巻き込んでほしいという方向性がありました。

未来のリーダーになる人に、そのようなボトムアップの巻き込み力を持ってもらいたいというビジョンが、フォロワーシップ研修の導入につながっていると思います。

――メーカー系の企業では、どうしてもお仕事の性質上「トップダウンで指示命令系統遵守」というところが多いですが、
「もっとボトムアップで」という方向性が定まっていたんですね。

当社の場合、安定供給・品質維持はもちろん大前提やらなければいけないことなのですが、では「それを提供していくために何が必要か」。
課題はやはり現場にあります。現場から上がってこなければ、経営は(課題が)わからない。
ですので、社風として上意下達が強くはないかなと思います。
やはりもともと、現場が一番大事という思想が社風にありますね。

――なるほど。風土として、現場起点がずっと続いているということですね。
研修に「リーダーシップ・フォロワーシップ」とあえて名付けられた意図としては、「リーダーシップ“だけ”じゃないぞ」というご期待があったのでしょうか。

企画発足当時、特に「リーダーシップ」という概念は、すごくカリスマ性のあるリーダー・マネージャー固有のものである、というようなイメージがありまして。
役職者だけが身に着けていればいい、という印象もあったと思います。
研修に「リーダーシップ」とだけ名を冠することで、そのように(役職者向けのものというように)感じられてしまうと思いました。

そうではなく、現場を担い、支えているベテランや若手それぞれに力を発揮してもらうために、自分のやりたいことを発信し周囲を率いる力だけでなく、上司の考えを嚙み砕いて、もう一声、現場にそぐうものに翻訳して合わせて、そういうフォロワーシップ的な力を期待したんです。

また、(一部の役職者だけが“リーダーシップ”を持っているものなのだ、という誤解の元)
「リーダーシップ」研修に行ってきなさいという案内を出すと、「やらされる」感が強いといいますか…。

――義務として捉えてしまう人がいると。

そうですね。この研修行って帰ってきたらあなたリーダーね、という「通告」のようになってしまうのも意図と違いますので、研修の名づけにはそういう意味でも柔らかさを持たせ、「リーダーシップ・フォロワーシップ」としました。

施策実施と、「すぐやる」風土の加速

「リーダーシップ・フォロワーシップ」の受容

――今現在、「フォロワーシップ」という力を(中外製薬工業の)受講者の皆さんにお伝えしていると、非常にフィットしているというか、実感を持って受け取ってくださっていると講師として感じますが、感触はいかがでしょうか。

まず、リーダーシップ・フォロワーシップの在り方自体が、企画当時から現在までで変わってきていますね。その変化にさらされる中でのフォロワーシップの発揮には、現場ならではの相当な悩みがあるのだろうなということが事前課題からも伝わってきます。

ただ、研修や事前課題を通して、マネージャーとよく話して、上司の考えやそれへのフォロワーシップの発揮をよく考えるということがひとつの成長になっているなとすごく思います。

――フォロワーシップや巻き込み力の強化については、たくさんの企業でご支援をしておりますが、中外製薬工業の受講生の皆さんは、群を抜いて優秀だと感じます。講師としては非常にやりがいがありますね。

ところで、同じテーマ・階層に対しての研修であっても、毎年事前事後施策のブラッシュアップに取り組まれていますね。このあたりの改善・改良も、社風が表れてのことでしょうか。

リ・カレントさんからも毎回研修を終えてのフィードバックをいただいてますので、ちゃんとそこを踏まえて反映させたいと思っています。

また、会社の戦略の変更というか、変化対応へのスピードも速いので、それを研修にもちゃんと入れていかないといけない。
経営戦略上のビジョンが大きく作り変わってからちょうど5年ほど経ちます。今後のその影響をよりドライブさせていくために、必要なリーダーシップやマインド・スキルなどを考えながら、リ・カレントさんに(研修への反映を)ご相談しています。

やはり世の中の動きは早くなっていますし、それだけ研修や施策も変えていかなければならないという気がしますね。

「すぐやる」「いつやる?」の現場実践

――貴社の研修受講者の皆さんは非常に特徴的なことがありまして。
過去の仕事へのチャレンジ度と、最近のチャレンジ度の比較をしますと、
過去100%のチャレンジと比較しても、今はそれ以上、100%以上だと答える人がかなり出るんです。

ありがとうございます。所属している人間ながら、結構面白い会社だなと思います。

採用面接とかしていて、どういう会社ですか?と就活生から聞かれた時に、「まずは安定供給と品質」。すごく真面目な会社です。でも、その割には「新しいもの好き」「チャレンジするのが好き」と答えています。

新しいものを、すぐに「ちょっとやってみようか」となる。そのあと「ちゃんとやる」までの過程はすごく堅牢性が高いのですが、大変な思いをみんなしながらも、「ちょっとやってみたい」と思える社員が多いんだろうと思いますね。

――今年のリーダーシップ・フォロワーシップ研修のご支援では、グループ内でのペアを作り、ピアコーチングを行う、という施策を追加しました。

ただ、こういったいわゆる職場実践では、研修内でセットしても、「実際には忙しいし、難しいよね」となってしまって、なかなか実践に至らないということがよくあるんです。もう、研修中からそれが漂っているんですよね(笑)。

ところが貴社の場合ですと、すぐに「いつやる?」となる。
適応力といいますか、柔軟性というか、担当営業共々、非常に驚きました。
この辺りの「すぐやる」も、1on1施策などをきっかけに慣れていらっしゃるのでしょうか。

そうですね。

会社の制度として、マネジャーと部下・月1回を目標に1on1をしてもらっています。

また、課題設定面談が年初にあり、年末に振り返りがありまして、その間の定期的なコーチングもマネジャーにお願いしているので、「一対一で話す」ということには皆慣れているし、定着している部分は大きいかと思います。

(受講生の)グレード34の社員でも、場合によっては、現場のリーダーとしてメンバーと1on1していますので、慣れもあるでしょうし、楽しいと思えている方もいると思います。

現場実践が育て始めた「提案・提言」の風土

――なるほど。そういう風土、文化の中で、スピーディな「すぐやる」が根付いているということですね。
お互いの学び合ったペアで高め合って、何か新しい動きが生まれたとしたら最高ですね。

そういうものが出てきてくれると嬉しいと思います。

当社にはアイデア提案制度「Wing」というものがありまして、自分たちが作ったものやアイデアを経営に答申することができます。そういうものを一緒に作ってみました、といった動きが出てきてくれると、より嬉しいですね。

(中外製薬工業株式会社HPより、アイデア提案制度「Wing」ページ
https://cpmc.chugai-pharm.co.jp/challenge/wing/index.html

――「Wing」では、過去どのような提言が取り上げられたのでしょうか。

Wing制度は)一昨年ぐらいからのスタートで、今はまだ3期目なので、多くの施策を「まずやってみよう」と動かしている真っ最中です。なので、「これが成果につながった」というところまで行っていないんですが、「提案ができる」という社風・風土は、浸透してきているのかなと思います

――制度として提案・提言をとにかくたくさん出して、どんどんトライアルアンドエラーすることが、イノベーティブな社風・風土を育てるということですね。

(本研修に)参加していただいている方は、ぜひ現場をリードし発案してもらいたいです。
合わせて、上司と1on1など色々なディスカッションをしてもらい、経営戦略・自社戦略の理解を深めていただくことで、より良い製品づくり・新しいアイデアが生まれてくるかなと思い、それを期待したいと思います。

――受講者一人一人の成長・変化を、全社の風土改善・経営施策の推進に結び付ける仕組みがあると、学習への投資が何倍にもなる可能性があり得るということですよね。

施策の展望

罰ゲーム監理職の時代に
~「なる前」の学びと現場実践が組織の器を広げる

――今、「罰ゲーム管理職」という言葉が広まっています。(管理職に)「なりたくない」「なると損する」といった風潮が、マスメディア・SNSで広がっているんですね。
その影響か、企業で「管理職にチャレンジしたいか?」と聞くと、半数以上から「なりたくない」が返ってくる場合もあるそうなんです。貴社ではいかがでしょうか。

状況としては、やはり「なりたくない」が多いですね。

そこは対策していかなくてはいけないので、グループマネジャーに帯同し数日学んでもらい、業務体験してもらうなどしています。

最初からいきなり全部できる人もいないですから。「ここぐらいだったらできるかも」と、まずは少しハードルを下げることを、検討しながら進めている状況です。

――ある意味でプレマネージャー育成ですね。
正式に管理職になる手前でも、もうリーダーシップっていうのは求められています。
研修を通じて、上位者を動かすフォロワーシップが期待されていると実感して、巻き込む動きに自らチャレンジする。そこで、何かちょっとした手応えを得ていただくと、マネージャーへのハードルは下がると思います。半歩・一歩ずつ階段を上がってみるというところに結びついていくんじゃないかなと。

そうですね。

私個人の課題感かもしれないですけど、やっぱり日本は、(マネージャーやリーダーに)「なってから」勉強するところが強い気がしています。

「なる前に」ある程度のノウハウ・知識をインプットして、現場でトライアンドエラーをする。それを踏まえてマネージャー・プロフェッショナルになっていく、と体系立てられれば、(管理職になる)ハードルは下がると思っています。

このリーダーシップ・フォロワーシップ研修もその一環と言えますし、そういった体系を作っていきたいんです。

――マネージャーになるにあたっては、もちろん業務への関心も大事ですが、人への関心も大切です。
これについても、マネージャーに「なる前に」自分から関わりにいくことで、「
(人・組織は)変わるぞ」という実感を得ることができれば、管理職としてその方面もやってみようと、そう思えるようになりますよね。

社風としても、非常にコミュニケーションを大事にする会社ですので、人と話すのは基本的に好きな社員が多いんだろうなと思います。そういった意味で(人に関わり動かす)リーダーシップを発揮する場面も多いはずです。

ぜひ、そういうところ(人への関心)からマネジャーが多く出てきてもらえると、いいマネジメント・リーダーシップの発揮につながり、会社の生産性も高くなると思いますね。

――「経営者の器以上に会社は大きくならない」という話がありますが、同じように「マネージャーの器以上に組織は広がらない」と言えそうです。

器を広げていけるようなマネージャーになるためには、「なる前」の早い段階からイメージを持ち、現場でトライアンドエラーして経験・効力感を積み上げていく循環を仕組みとして作っていくことが大切です。そういった仕組みづくりを、これからも教育施策を通じてご支援していければと思います。本日はありがとうございました。

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